みなさん、こんにちは。FP黒田です。
最近、よく見かけるのが「ゼロ活」という言葉です。
元々はベストセラー『DIE WITH ZERO~人生がなりすぎる究極のルール~』からきているのだと理解しています。
最近は、私への取材でも、「ゼロで使い切って死ぬには、どうしたら良いですか」という感じのご依頼が結構あります。
モノもお金も、できるだけ残さず、人生の最後は身軽に――。
「死んだら使えないんだから、生きているうちに使い切ろう」という発想です。
ファイナンシャルプランナーとしては、「たしかに!」と思いますし、私自身も娘には財産は残さないと明言してるので、この考え方はよく理解できます。
一方で、「でも、日本人にはなかなかハードルが高いかも」とも感じています。
なぜなら私たちは、「子どもや孫に少しでも残してあげたい」「病気や介護など、何かあったときのために取っておきたい」という気持ちや発想が強いから。
そもそも、老後のお金は「あと何年生きるか」がわからないのが最大の難所です。
しかも、平均寿命の延びを甘く見てはいけません。
「自分は、まあ、このくらいまで…」と思っているより、ずっと長生きする人は少なくないのです。だからこそ、健康寿命を意識して、元気なうちに使うお金と、長生きに備えて残しておくお金のバランスを取ることが大切です。
張り切って使い切った翌日に、「あれ? まだ元気なんですけど……」となったら大変ですから。
だから、私は無理に財産をゼロにする必要はないと思っています。
むしろ、「これだけあれば大丈夫」というお金を少し残しておく(いわゆる老後資金三分法の最初に取っておく「のこすお金」をしっかりキープ)。
そんな安心感があるからこそ、旅行に行ったり、好きなものを買ったり、誰かのために使ったりと、お金を「今」に回せるのではないかと思います。
そして、私が思う「ゼロ活」の本当のゴールは、財産をゼロにすることではなく、後悔をゼロにすること。
行きたかったところへ行く。
会いたかった人に会う。
やってみたかったことをやる。
「ありがとう」や「ごめんね」を、ちゃんと伝える。
お金を使い切って人生を終える必要はありません。
「あれをやっておけばよかった」を、できるだけ少なくして人生を終える。
それなら、少しぐらい財産が残っていてもいいじゃないですか。
財産を残すのも人生。
財産を使うのも人生。
大切なのは、お金をゼロにすることではなく、人生の「やり残し」をゼロに近づけること。
さて、あなたは何を「ゼロ活」しますか?
